そもそもカリッシュとは?

カリッシュとはバーチャル学園都市「キャラフレ」内で誕生したアバターアイドル。

 

作曲家サワグチカズヒコと札幌スープカリィの店PICANTE(ピカンティ)の共同プロデュースにより2014.9月7日に学園生徒からのオーディションにより「スープカリィを世に広めるアイドル」として誕生しました。

 

カリッシュは4人のゲーム内プレイヤーと4人の担当CV(キャラクターボイスの意)により構成されており、CVの4人だけでリアル世界においてライブ活動をすることもあります。それは「リアルカリッシュ」として区別したりされなかったりで、本体は一体どこにあるの?という疑問は当然ですね。

プロデューサーであるわたくしサワグチと共に少しアバターアイドルについて理解を深めましょう。

カリッシュの構成要素

人間を肉体と魂とに分けて考えたり致します。同様にカリッシュとは何によって構成されているのかを考えてみましょう。

初音ミクに代表されるバーチャルアイドルでは「外見」「声」が構成要素と言えます。ユーザーが考えた歌を唄わせることで設定された人格を演出することはありますが、基本的に人格は存在しません。

 

一方でアニメのキャラクターには人格が存在するでしょうか。あなたの好きなアニメのヒーローも悪役が設定されているからこそ活躍できるのであり、その人格のほとんどは原作者と編集者により決定されます。なのでアニメのキャラクターもまた "設計された人格" は持ちつつも自らの意思で行動することはありません。

 

カリッシュの場合はどうでしょうか。

 

操作するユーザーが「心」の部分を担当し、テキスト入力により会話を行います。CVさんはカリッシュが歌唱や会話する場合、その声を担当します。「外見」はキャラフレ内のアバターと星の数ほどある服によって構成されますので、キャラフレ運営会社が担当すると言えなくもないですが、その組み合わせは無限に存在し、セレクトするのは操作するユーザーなので割合はあいまいですが50:50位でしょうか。(2017.8現在は声部が導入され、さらに複雑化しています)

何を好きになれば良いの?

好きになるもならないも個人の自由ですので設問自体が矛盾しているようですが、このように1体のアイドルが複数の担当者によって構成されるアバターアイドルでは "好きになり方" もまた特殊なように思います。

ここでフランケンシュタインを例に持ち出すのはいささか気が引けますが、 "心の部分" と "外見を選択するセンス" は操作するユーザー固有のものでありながら、アイドルとして重要な「歌」や「トーク」に関する部分はCVさんの固有なもの。その集合体というものが、このアバターアイドルの本質というのが正しいでしょう。

ということは「ななちゃんのファン」であるということは、ななの中の人7割、声の人3割、外見を作った会社の人微量、・・・のファンであるということですね。書いてる本人も理解の域を超えてしまったようです。

担当者の守備範囲

複数で1体が構成されるわけですから、当然守備範囲も存在してきます。

CV担当者が突然アバター映像を持ち出して「私です。」というのは本当は違いますが、リアルライブでこれらを解説しようとすると1時間かかりますのでCVさん4人でライブをする時は「カリッシュです!」と元気いっぱい言い切ります。

また中の人が突然現実世界に目覚め、アバター映像を持ち出して「私です。」というのも違います。やはりアバターアイドルの本体というものはこの3次元には存在できないものなのですね。

個人としてのカリッシュ

そんな存在自体が次元の狭間にあるようなカリッシュですが、中の人の個人情報はプロデューサーとしても知らないのです。ある日突然、中の人が「や〜めた」と言って居なくなったとしても、私は追う手段を持ちません。CVの方々はレコーディングでご一緒しますから知っています。

なので、あくまでカリッシュの操縦者はキャラフレという空間でアイドル活動というロールプレイをしている、という定義になります。我々はその操縦者の個性を魂として認識し、歌を乗せていると考えます。

しかし1年以上もこのような体制で続けて参りますと、奇妙な連帯感というものが中の人とCVさんの間にも生まれ、自分のキャラクター性について話し合う場面も多いようです。

そして再び、カリッシュとは?

 本物の ”魂" が入っているんです。だからこそややこしい。そして面倒くさい。そして愛しくもある。

3次元と2次元との狭間に曖昧に確かに存在する2.5次元アイドル、それがカリッシュなのです。