伊東レコーディング合宿

7月9日7人乗りのレンタカー借りてのレコーディングツアー。このように宿泊しての収録はかつてないカリッシュであった。行き先は温泉地伊東にあるサワグチ教授私設スタジオ。宿泊施設も完備である。

 

朝9時・・レンタカーを借りる。かなり年季の入ったエスティマで、操作も不安だがレンタカー屋のキズチェックが妙に念入りで、ちょっとでも傷つけてみろよ、高いぞと言わんばかりのチェック・・・を終えて不慣れな車両感覚に戸惑いながら駅へメンバーを迎えに行く。

 

駅は雨で大混雑・・・そうか雨を呼ぶマネージャーだったっけな・・・(笑

私は晴れ男、碧さんも晴れ女、今回初参加の栞月さんも晴れ女・・・3:1な筈なのだが。

 

晴れていたらココで撮影、ココで撮影、と色々プランも練っていたはずだったが全て消し飛んで、おまけに大雨の大渋滞が続き思うように車も進めない。結局伊東入りしたのが13時すぎ。10日のライブの件で伊東マリンタウンに立ち寄ったのが14時。全ての予定は狂いに狂い、家について機材をセッティングし終える頃には16時を回っていた。

 

スパイシーサマー収録開始。みうりん、あやはる、の2名が終わったところで20時の電車で帰らねばならないマネージャーが司会を務める「CV割り当て選手権」の撮影。撮影が終わったところでマネージャーを駅に送り夕食。

伊東では有名な「五味屋」さんの海鮮丼。サインも書いてくればよかったかな?(笑

お腹を満たした一行は温泉へ。もうすっかりビール飲んで寝るばかり・・・となりそうなものだがそうはいかない。。。写真は楽しそうだが、その後の収録は苛烈を極めた。。。

スパイシーサマーの収録を終えて既に日付変更線をまたぎ、そこから「Papa Don't Breach」の完全版の収録・・・妙に技術が本格化したみうりんの鮮やかなラップに触発されるメンバー。。。私は運転の疲れや翌日の行程での運転も考慮し2時に就寝・・・すっかり「みうりんのラップ習得合宿」と化した宿泊場が消灯したのはほぼ夜明けと同時だったらしい・・。

 

翌朝・・・昨日の大雨が嘘のような晴天。むわっとした湿度に猛暑の気配・・・私は即座に海岸でのPV撮影を決行することにした。眠そうなメンバーには酷だがそのための合宿でもある・・・5分後に出・・・と言おうとしてメンバーから殺意の波動を感じた私は発言を躊躇した。。。なるほど女性は「日焼け止め」やその他の武装が必要なものなのだ。私も昨日のデータを整理しつつ支度が整うのを待つ。

 

あいかわらず運転間隔の慣れない大型車で海へ向かう・・・突如みうりんが「あそこの雲が虹色だ」と叫ぶ・・・日差しが眩しいから錯覚かと思ったが見事に一部分だけ雲に色が付いている・・・

天がくれた奇跡・・・お告げ・・・意味はわからないもののとにかく感動だった。今日も出来る限り良い仕事をして一人でも多くの人の心に届くものを作ろう。。そう誓うばかり。しばらくあんぐり口を開けるばかりだったが、こんな奇跡を背景に写真を撮らないわけにはいかない、と車を止めてカリッシュを並ばせて撮影へ。

もうこの写真をそのままジャケットにしてもいいくらいのレア度・・・車を移動させながら撮影地の宇佐美海岸に着く頃にはもう彩雲は消えていた。午前9時・・今日が海開きという宇佐美海岸はすごい人出だったが、オレンジ色の人たちの目を引く出で立ちにちょっとばかり引き気味にスペースを作ってくださった(笑

なかなかカッチョイイ4人でしょ?見事にスパイシーサマー用の映像を撮り切りました。

 

・・・でもスパイシーサマーの曲自体、これからアレンジにミックスにと作らなきゃいけないのでPVなどはまだまだ先の話ですが、なにせ夏の間に作らなきゃ夏曲の意味がないので、がががんばります・・・。

 

そしてこの後15時よりの伊東マリンタウンライブ。そちらは実際の動画をUPしようと思いますのでそちらをご覧くださいね。

 

・・・帰りは日曜日の夕方ということもあり観光地からの帰宅ラッシュ、そして事故渋滞で疲労もピーク・・・車内では私を居眠り運転から救うため2次元しりとり大会が開催。ここには書けない狂暴な言葉が飛び交いつつ、20時というレンタカー返却期限が迫る中、もう少しの遅れはしょうがないと諦めムード。。。

 

栞月さんがレンタカー会社に交渉するも15分以上遅れたら3000円追加だぜ!という血も涙もないレンタカー屋。しかも満タンで返却しなきゃさらに高い追加料金。。。3000円なんて海鮮丼より高いじゃない!みうりんの発言に妙な結束力が生まれ、「駅まで歩きます!教授は時間内に返却できるように頑張って!!」みたいな協力もあり、ガソリンも入れ返却したのが19時57分・・・

 

いろいろ、なんというか見えない力に助けられたなぁと感謝するばかりの収録ツアーとなりました。まだまだやることだらけですが、作曲家として良い楽曲を提供するのみ、歌い手は良い魂を吹き込むのみ。。。伊東ライブでファンになってくれたリアル女子高生、子供達、もっともっと色々な人にこのサウンドを届けなくてはと改めて感じたのでした。

 

さて、アレンジ頑張ります。夏曲・・・本当に自信作なんです。

お楽しみにお待ちくださいね!!


Curri-Curriという楽曲

2月26日カリッシュの収録が予定されていた日。しかし4日前の22日になっても収録する曲は定まっていなかった。これは某フェスティバルに向けた楽曲を収録しようと水面下で動いていたからなのだが、直前になり主催者側と連絡が取れなくなるという非常事態が発生・・・見切り発車するにはリスクが大きいので取りやめとなる。

結局26日は当初から決まっていた楽曲1曲、そして過去曲をしっかり収録し直そうということに落ちつ・・・きつつあった。

 

過去曲を録るだって・・・?

 

んーまぁ確かに録り直したいものはたくさんある。でも、なんというかモヤモヤする。自分の中で驚きが不足している。サワグチはとにかく刺激を大切に生きている。込めるものに驚き、感動、そういうものをたくさん封じ込めてこそ伝わるものになるという信念がある。

 

(今回はLINEの履歴をもとにこの文を書いている。)

 

22日の午後754分、某フェス参加を断念する記述。気分は暗かったはず。しかしその3時間後の私の発言。

 

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サワグチ>

ttp://firestorage.jp/download/f369e2b649a1e02becba53fb10afbee7b38e3786

ダウンロードパスワード karikari

 

サワグチ>

インドから伝わったカレーが日本で独自の進化を遂げて日本のカレーになりました。カレーを世界に! そういう世界観です。

 

サワグチ>

全体はインドですが、鈴が入ってるところは「和」なテイストです

 

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予告もない。いきなり「新曲できた」と連絡している。送られた方の心境などまるでお構いなし。こういう突然すぎるところ・・・いつも後から反省する。

そしてこのダウンロードパスワード。見返して驚く。既に曲名になってた(笑

結局3時間で作曲。サワグチ的にはだいたい歌モノ1コーラスは30分~1時間で作るので意外と時間が掛かったが。マネージャーは「作曲って早くできるんですね。」と言っていた(笑・・・そこは微妙に訂正をお願いしたい。「サワグチの作曲が早いんです。」と。人それぞれ特徴があるから早ければ良いというものじゃない、アレンジが早いとか打ち込みが早いとか色々あると思いますが、サワグチはメロ作るのが得意なんです。新鮮なうちに閉じ込めたいというのがいつもある。その分、アレンジはほんっと時間掛かります・・・。

 

そして作詞家さんが「23、24日と時間が取れるのでそこで完成させる」ということで話はまとまった。そう・・・歌う当事者の都合などまるで考えずに(笑

25日に歌詞が届いたとしてはめ込み作業に仮歌に・・・いろいろすると歌手達に届くのはやはり前日の深夜、または当日!

 

・・・まぁカリッシュさん達にはよくあることです。。。ぶっつけ本番(笑

今回もかなぁ・・・そんな予感もありつつ作詞家さんにサワグチ伝えた歌詞イメージは以下。

 

「私達は2次元世界で平和にくらしていました。そんなある日サワグチ教授がやってきてカレーが食べたいと言いました。故郷をなつかしむ教授の視線は遥か地平線の彼方、そんな教授のココロをなんとか慰めようと思いました。そして生まれたカリッシュ カレーの妖精 インドから来たカレーだけれど 取り入れて発展させるのが私たち日本人日本の文化今スパイシーに花開く 私たちカレーアイドルその名もカリッシュ。あたしたちカリッシュ。カレーを世界に伝える役割 持って生まれたスパイスの導く 彼方目指す深みとコク。ハーモニー忘れた秩序取り戻し 世界に平和を カリッシュがどういうものなのかを歌で伝えられると良いですね。2次元とか3次元あたりの解説はやめましょう。テーマがぼやけます。カリッシュがいかにカレーが好きで、カレーが日本の食べ物で世界に発信していくべき文化であるか、そういうところをテーマにしたほうが一般受けすると思います。」

 

みたいなやりとりになったのが23日深夜0時過ぎ・・・日が昇り、昼頃になるとマネージャーが現在のカリッシュの様子を伝えてくる。「現時点でひーひー言ってます。」・・・なるほど、26日の収録曲はなんと横文字が多数登場する。英語の発音は難しいからな・・・そんな時に突然ぶっつけ本番で新曲と言ったらショックで倒れたりしないだろうか・・・心配しつつもやはり新曲への期待、興奮で胸が踊る。

 

 

午後3時・・・作詞家さんから第1稿

 

「私たち 普通の女の子3人わおん あみ そしてなな平和に暮らしてた

そこに現れたのは グラサンが似合うお酒好き カレー好き サワグチ教授

思い出すは 札幌スープカリィはるか遠くに見えるあの地へ 帰りたい

私たち 普通の女の子3人わおん あみ そしてなな平和に暮らしてた

またも現れたのは 仕事に追われて札幌に帰れない サワグチ教授

嗚呼スープカリィ食べたい 届け願い魔法の言葉 響け歌 変身!

カリッシュカリッシュカリカリカリッシュ カリッシュカリッシュカレー食べましょ

カリッシュカリッシュカリカリカリッシュ カリッシュカリッシュカレーの妖精 

ああ 今こそスパイシー(ハイ!)」

 

そして数回のやり取りの後、歌詞中にサワグチ教授が出過ぎなので退場いただき(笑、完成へと固まりつつある中、歌い手さんから今回追加の新曲は辞めてほしいと要望が。私も確かに急すぎるかという懸念もあったが・・・ここに曲があって、気持ちも相当高まって、これを録らないで帰る26日の気分を描いてみて・・・もうどうしようもなくガッカリした自分を思い浮かべてしまった。

 

・・・ので、「まぁ録るだけとります。」と半ば強引に決行を決める。あぁなんて可哀想なカリッシュ。

 

しかし当初「カリッシュのテーマ」として進めていたこの曲は「カリッシュのライブで最初にお客さんを盛り上げるような導入曲」という位置付けへと変更、「テーマ」という言葉に怯えていた本人達の肩の荷が少しでも降りてくれたらいいのだが。

そして間奏には以前からやりたかったコール&レスポンス。「カリッ」「シュッ」「カリッ」「シュッ」をお客さんとやり取りする部分を取り入れてみた。

 

 

というわけで、苦境が生んだ鮮烈なミミタコ楽曲「Curri-Curri」はこのようにして生まれた。作詞家である「つじぞー☆」氏は当時の様子を次のように振り返っている。

 

 

 「カリッシュのテーマ曲を作ろう!」

この話が来た時、私はノリノリでした。

 

そういえば、カリッシュ自身のテーマ曲ってなかったなぁ。

これは欲しい!

 

…けど、あれ?

それを私だけで作っちゃっていいのかな。

メンバーの言い分はないのだろうか?

 

でも、収録まであと4日しかないから、そんなもの聞いてる暇はない!

私がそれとなくメンバーの気持ちをくみ取って書くしか…!

 

と、第一稿をサワグチ氏に渡すも、「サワグチ教授」の出番が多いということで練り直し。

 

そんな中、カリッシュの現状を伺う私。

作詞家でもあるけど、私はカリッシュのマネージャー。

新曲を2つも収録するなんて、さすがに負担が大きいんじゃ…と、最初から思ってはいました。(しかもまだ楽曲が仕上がっていない!)

 

なんとなく遠まわしに「止めませんか?」と、サワグチ氏に伝える私。

「まぁとりあえず録りましょ!」と元気に返されてしまった…。

 

あぁ、無理だ・・・。

 

でもここで諦めたら、マネージャーじゃないわ!

 

「せめて、カリッシュのテーマはやめませんか?」と提案。

カリッシュのテーマ曲なら、カリッシュの意見も取り入れたいし、何より自分たちのテーマはもっと大事にしてほしいから、歌い込んで収録に挑んでほしいんです!(ドヤッ

 

「なるほど」

 

やった! 聞き入れてもらったわ!!

 

「じゃあ、カリッシュのライブで最初に盛り上げる導入曲にしよう」

 

なるほど! それはいいですね!!

盛り上がる詞を、気合いを入れて書きます!!!

 

・・・あの。

この曲最初に歌ったら、それだけで息が上がりそうなんですけど・・・。

 

そんなこんなで、「Curri-Curri」ができあがりました。

カレーが大好きなカリッシュのこと、忘れられなくなり…ますよね?

 

 

 

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「Curri-Curri」という楽曲が末長くお客様に愛される楽曲になることを心から祈りつつ、4月にはその英語に苦しんだという新曲が発表され・・・るかも?お楽しみに!

 

 


リハーサル

3次元カリッシュと2次元カリッシュをどう呼び分けて良いものか。合わせて2.5次元という設定も両者の活動が活発化していく中で少しづつ不自由さを感じ得ない。それぞれがパラレルワールドに存在するカリッシュと言う事で良いのかもしれないなどとうっすら感じつつ昨日は3次元カリッシュ・スリー・ディメンションズ(無理やりカッコよく呼んでみた)のリハーサルが行われたようだ。

写真を見る限りバンド練習スタジオというよりダンススタジオ・・・これはまさか、いやそういうことか。先日の"ふらとい"ライブの時にも感じたことだが妙に振り付けが進化してきている。これは13日はキレッキレの・・・いや勝手なことを言うと怒られそうなので過大表現は控えるが、これは本番がますます楽しみである。しかも今回は1枠の時間が結構長いらしい・・・今までの力作の数々をチョイ増しでお届けできると思いますので期待しつつお待ちいただきたい。なにやら先日レコーディングの新曲を・・・ここで出してくるのだな!・・・マネージャーが初めて涙したという楽曲の全貌がいよいよ明らかに!私もいまから胸が躍ります。

 そしてそしてカリッシュ・ツー・ディメンジョンズ(多分浸透しない呼び名なのでこれ限りに)はといえば13日のライブ前夜・・・12日の夜にこれまた新曲を発表するらしい。12日は翔愛学園生徒はなんでも卒業旅行中?ということで会場はいつもの体育館とは少し違うらしい。そして驚くべきは13日にカリッシュ3Ds(略した!)が発

するであろう新曲とは別曲だというのだ。まったくサワグチ教授の仕事の早さは素晴らしい日本酒あってこそ(聞いていない)。ついでに言うと14日はシュシュエールが、23日は重機娘プロジェクトがサワグチ作曲による新曲を発表する。全くなんという3月。話は戻りますが12日、13日と発表されるカリッシュの新曲はどちらも今後の活動において重要な位置付けとなる曲であることは間違いありません。是非会場にお運びくださいね。

13日ライブのチケットは出演者に直接連絡、または当HPのお問い合わせフォームから、12日のキャラフレ内新曲発表は卒業旅行先の「muzie rock festival会場」とのことです。アカウント作成無料ですのでこの機会にキャラフレの地にあなたのアバターを降臨させてみてはいかがでしょうか?

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レコーディングの現場から

2016.2.26は久し振りのカリッシュ新曲レコーディングだった。本当は毎回何かある度に記録を残せるのが理想だが、去年の暮れから今の今に至るまで、いやまだまだ継続中だが記録的な忙しさの中全ての物事がギリギリの線で進行しており、自分に360度映像を記録できるレコーダーを搭載して誰かに記録を書き起こして欲しいと切望するほどなのだが、いやいやいつも自分に対して反省の言葉として使う「時間がない?いや時間はある、ゆとりがないだけ」の範疇に陥ってしまっただけなのだろうか、死ぬ間際にでも振り返ってみたいと思う。

場所は上野。CVの3人は本当に予定が合いづらい。月に1度くらいしか予定が取れないものだからそこを外してはいけないと集中して作品を間に合わせる。今回は新曲を1曲、そして過去作品から収録に納得のいかないものが数曲あり、それを取り直そうなどという大まかな流れ。しかし作業に集中し、カリッシュの全体像が自分の中でイキイキとしてくる程、新たな構想が浮かんでしまうのはいつものこと。去年は思い付きが思い付きを呼んで3時間の中で6曲を録るという記録的暴挙に及んでしまった事をいまだに反省もする。しかし今回は・・・いや、やはり今回も浮かんでしまう。新たなアイディアが・・・これを実行すべきか否か。。。GOとすれば果てしない歪みを生み、この3次元空間だけに留まらず2次元世界をもまた巻き込み、次元の湾曲からブラックホールが出現し結局周囲を疲弊させ、自らを傷つけることになってしまう。。。しかし自分の中の声はどうしてもそれを実行しないとお前を殺すと脅してくる。「もうわかった。よーするに守りに入るなという事ね。はいはい。」「ハイは一回。」・・・これは分裂症などという奴だろうか、自分の中で起こりうる自問自答が本当に自分の人格なのかどこぞの霊魂と話しているのかわからない瞬間が多々ある。回りくどくなったが結局収録の4日前にして私は新曲を生み出し、同時に作詞家にメロディーを渡し、歌手に「詞は前日になるから。」と冷徹なる通告を済ませ、アレンジ構想へと進む。歌わされる方の戸惑いもいかばかりかと思うがこれはもう「カリッシュなのだからしょうがない。」と思っていただくほかはない。それほど私のカリッシュ楽曲への思い入れは並々ならず、カリッシュとはチャレンジの同義語であると認識していただくほかはない。

話は戻る・・・上野。18時。今回は初めての収録スタジオ。大きな幹線道路から少し路地を入ったマンションの地下に存在し、スタジオは4〜5あっただろうか、入り口入ってすぐのブースに案内される。外気は冷たくCVの1人は仕事を抜け出してすぐの参加で声を作る時間もままならない。とりあえず喉の暖機運転をしてもらおうと3人を収録ブースに押し込んでカラオケを流す。「歌いながら声出ししてください。」ミキシングブースの定員はおよそ4名。エンジニアが1名含むから我々の5名と合わせて、常に録音ブースに2名入っていないとならない計算。まぁこのような過酷さなど我々の通ってきた道に比べればどうということもない。ふとマネージャーに視線を向ける・・・「!!」私は目を疑う。泣いている?「ヤバいです!」・・・何が?・・・現実に意識を戻すとなんと閉鎖されたブースからハーモニーが聞こえてくるではないか。カ、カリッシュが・・・ハモり!?

失礼。自分で書いた曲なのだから知ってて当然なのだが、やはりシミュレートと現実界のものではその破壊力は桁違い。彼女たちから発せられる歌声が美しいインターバルで調和し、漏れ聞こえているのだ。そしてその美しさは次の一言に集約される。「カリッシュ・・・やるじゃん!」

そこから4時間・・・本当は3時間でちょうど終了する予定だったのだがエンジニアさんの「書き出しに30分掛かりますから延長していただかないと。」「えー?聞いてないよ」「延長は1時間単位になります。」的なやり取りを割愛するがとにかく4日前に暴力的に送りつけた新曲を含めてまたカリッシュは見事に録り切ったのである・・・。

これらの楽曲披露はおそらく3月のどのタイミングか現時点ではなんとも言えないが、一つ言える事はマネージャーが過去最高気に入ったカリッシュ楽曲であるという事。私もまたカリッシュの新たなる可能性に胸躍る日となった。是非今回の楽曲も期待していただきたい。(2016.2.27)


My First Loveという楽曲

My First Loveという楽曲は何を表現したい曲なのか。作り始めたときは外国の偉大なシンガーが歌い上げるバラードを超えた楽曲を作ろう程度の気持ちでした。歌い手との連携が深まるほどに作曲家はその可能性の更に奥に潜む可能性に問いかけてみたくなるものであり、この楽曲はまさに彼女たちの潜在能力に訴えかけたいという思いでした。なので作詞家さんとは「とにかく吐くほど真実の愛を歌った楽曲にしたい」と伝えるだけでした。

そんな時期、私もかつてないほど体調を崩し、原因不明の症状に苦しみながら初めて「死」というものを意識したのです。自分が死ぬということはどういう現象なのだろうか。死は身近にいくつも存在しつつも、それが想像もつかない存在。心のどこかで永遠にこの世で生活していられるような気でいる自分に気づいたのです。

盛者必衰、諸行無常、生々流転・・・いくらでもそれっぽい表現は巷にあふれています。しかし、自分のこの体が、自分を取り巻く環境が、社会が、仕事が、そして人々が・・・全てを失う時はどれほど覚悟のいることだろう。日航機墜落事故で墜落すると分かった機内で乗客が書いた遺書には感謝の言葉が綴られていました。人間はそんな短時間に全てを悟り、感謝の言葉など書くことができるものだろうか・・・。

そんな心境の変化もあり、この曲は直接的には何も断定してはいませんが、おそらく何らかの理由、愛する人を残して旅立たねばならない運命の女性をテーマにすることが決まりました。そして作詞家さんとは何十回とやりとりを繰り返し、やっと完成に漕ぎ着けました。

どんなに一緒に居たくてもそれは叶わない。本当の愛に目覚めた時、人は何を選択するのか・・・私も作りながら色々考える機会となりました。味わうという表現を使うには少々重すぎるテーマではありますが、そんなことを感じていただきながら聞いていただきたい楽曲です。(2015.9.14)


夏曲作りました!

作曲:澤口和彦

作詞:ホリイ モマ

Special Thanks : DJ風祭史紀

冒頭でDJ風祭さんもおっしゃってますが昨年9月デビューなカリッシュはまだ夏を経験していないんですね。アイドルといえば夏!水着!じゃないでしょうか。やっと作れた夏曲〜という感じがしています。ちょっと収録当時の様子など振り返ってみましょうか。

 

収録は渋谷の某スタジオ、ここでの収録は今回初めての収録だったのですが、とってもキレイなスタジオで収録ブースとミキシングルームがちゃんと別れていて(前までは一緒でした・・)スタッフさんも気持ちいい対応の方、もうとっても気分良く歌えたんじゃないかな?皆さん。

 

3月に卒業ソング、4月にムーンバタフライを発表し3ヶ月ほど空いて7月にこの夏曲となるわけですが実は6月にリゾート地による大型レコーディングツアーを企画していたカリッシュCVさん達。それがなんとサワグチ教授が突然都合悪くなりキャンセル!という事態に陥ります。(大ひんしゅく!)

 

前々から予定を調整してレコーディングに万全を期していた皆さんに対して、なにかお詫びの曲を書こう!そう思ったサワグチ教授に降りてきた楽曲がこちらの曲、書き始めたらもう30分掛からず出来ちゃいました。さっさとできる曲はイイ曲が多いです(笑。作詞は今回初めてのタッグとなるホリイ モマさん。初めてやりとりする方はなにかと不安なものですが、第一稿いただいた字面をみてすぐ「大丈夫!」と思いました。勢いというか、新鮮さというか、文字からすぐ伝わってきましたよ。

 

しかしながらこの日のレコーディングでの収録は1番のみ。2番もこの原稿を書いている時点で完成していますがその時は1番だけだったんですね。2番の収録が終わったら多分夏も終わっている?ということは来年の夏に完パケバージョンのお目見えということでしょうかね。楽しみにお待ちくださいね。

 

尚、この楽曲ではPVを作ってくれる方を広く募集しています。サイト内メールフォームよりご連絡くださいね。楽曲素材などお渡しし致します。

 

(サワグチ教授 2017.7.19)


結成1周年記念ライブを終えて

昨夜のカリッシュ1周年ライブが無事に終わった。体育館ステージは120万人という史上空前規模の観客動員を記録・・・全く末恐ろしい3人であり、末恐ろしい体育館である。

・・・そういえば正確な1周年は9月7日であるそうな。

私が初めてこの翔栄町に足を踏み入れたのが昨年の皐月祭だったが、それからの4ヶ月間・・なぜバーチャルアイドルを結成しようと思い至ったのか、何せ必死に楽曲を作る日々であまり思い出せないというのが本当のところである。翔栄町ではなんとか成功を収めているカリッシュであるが外の世界へ向けてという話になるとからっきしである。スタートラインにすら立てていないと言えるだろう。当人たちも様々なSNSを駆使したりサポーターズクラブを立ち上げたり色々努力はしているようだが、まだまだ、まだまだ、まだまだ全ッ然何も実をつけてはいない。冬コミへの参戦という企画もあるようだが、こちらはなにせ当選しないことには始まらない。前途多難・・・まさにこの言葉がピッタリくる。リアル世界の注目を浴びるにはどうすれば良いか・・必死に考えねばならない時期であると常時認識しなくてはならないはずなのだが・・・。(2015.9.6)